はじめに
「中小企業診断士の一次試験前日は、どのように過ごせばよいのか」
「試験前日も過去問を解いた方がよいのか、それとも休んだ方がよいのか」
「持ち物や会場までの経路に漏れがないか不安」
中小企業診断士の一次試験が近づくと、このような不安を抱える受験生は多いのではないでしょうか。
一次試験は7科目にわたり、長期間の学習が必要となる試験です。そのため、試験前日になると「最後まで勉強しなければならない」と焦り、普段とは違う行動を取ってしまうことがあります。
しかし、一次試験前日に最も重要なのは、知識を無理に増やすことではありません。これまで勉強してきた内容を本番で発揮できるように、体調、持ち物、移動、学習内容を整えることです。
私自身、会社員として働きながら中小企業診断士試験に挑戦し、一次試験と二次試験をストレートで合格しました。試験直前は不安もありましたが、前日にやることを限定し、当日の負担を減らすことを意識しました。
本記事では、ストレート合格者の経験をもとに、中小企業診断士一次試験前日にやるべきことと、反対にやってはいけないことを具体的に解説します。
中小企業診断士の一次試験前日は「点数を伸ばす日」ではない
一次試験前日になると、「あと1日あれば、さらに知識を覚えられる」と考える方もいるかもしれません。
もちろん、経営情報システム、経営法務、中小企業経営・政策などの暗記科目は前日に見返した内容がそのまま出題されることもあるため、個人的には意味があると考えています。しかし、前日に長時間勉強したからといって、本番の点数が大幅に伸びる可能性は高くありません。
一方で、前日に無理をして睡眠時間を削った場合、試験当日に集中力や判断力が低下する可能性があります。
中小企業診断士の一次試験は、単に知識を思い出すだけの試験ではありません。問題文を正確に読み、複数の選択肢を比較し、限られた時間の中で判断する必要があります。
特に、経済学・経済政策や財務・会計では計算や論理的な判断が必要です。企業経営理論や経営法務でも、似た表現の選択肢を慎重に見分けなければなりません。
そのため、試験前日は「点数を伸ばす最後の追い込み日」というより、これまで積み上げてきた力を本番で発揮するための調整日と考えるのがおすすめです。
一次試験前日にやるべきこと① 持ち物をすべて確認する
中小企業診断士一次試験前日に、最優先で行いたいのが持ち物の確認です。
試験当日の朝に準備を始めると、忘れ物に気付いたり、必要な物が見つからなかったりして、余計な焦りにつながります。
少なくとも前日のうちに、次のような物を一か所にまとめておきましょう。
- 受験票
- 筆記用具
- 消しゴム
- 腕時計
- 昼食
- 飲み物
- 現金や交通系ICカード
- 羽織れる上着(インテックス大阪では不要でした)
- 必要に応じて眼鏡や常備薬
- 休憩時間に確認する教材
筆記用具や腕時計については、最新の受験案内に記載されたルールを必ず確認してください。
また、シャープペンシルや消しゴムは一つだけではなく、予備も用意しておくと安心です。試験中に筆記具の調子が悪くなるだけでも、心理的な負担になります。
私の場合も、試験当日に必要な物は前日のうちに鞄へ入れ、受験票や筆記用具を再確認しました。準備を終えておくことで、当日の朝に余計な判断をしなくて済みます。
一次試験前日にやるべきこと② 会場までの経路と到着時刻を確認する
持ち物と同じくらい重要なのが、試験会場までの移動確認です。
次の項目を前日までに確認しておきましょう。
- 利用する路線
- 乗車する電車
- 最寄り駅から会場までの道順
- 会場への到着予定時刻
- 遅延した場合の代替ルート
- コンビニや昼食を購入できる場所
試験当日は、通常の平日や休日とは交通状況が異なる可能性があります。また、会場の最寄り駅から実際の建物まで距離があるケースもあります。
到着時刻は、受付開始ぎりぎりではなく、時間に余裕を持って設定することが大切です。
早く到着すれば、会場の雰囲気に慣れたり、トイレの場所を確認したり、最後の復習をしたりできます。
一方で、到着がぎりぎりになると、移動だけで精神的に疲れてしまいます。試験前日はGoogleマップなどで経路を確認するだけでなく、「何時に家を出るか」まで具体的に決めておきましょう。
私は大阪会場のインテックス大阪で2日間にわたる1次試験を受験しました。インテックス大阪は最寄駅から徒歩で10分〜15分ほどかかりますが、真夏の灼熱の中で向かうため、体力をかなり削られます・・
受験者は男性が多いため、トイレがかなり混雑します。水分の取りすぎにも注意してください。
一次試験前日にやるべきこと③ 復習する範囲を絞る
試験前日は、これまで使用していなかった新しい参考書や問題集に手を出す必要はありません。
前日に確認するなら、次のような内容に限定するのがおすすめです。
- 過去に何度も間違えた問題
- 頻出公式
- 暗記カード
- 自分で作成したまとめノート
- 法改正や統計などの直前確認項目
ポイントは、「すべてを復習しようとしないこと」です。
一次試験は7科目あるため、全範囲を見直そうとすると、確認が終わらないまま夜になってしまいます。また、知らない論点を見つけるたびに不安が強くなる可能性もあります。
私も試験直前は、新しい知識を広げるのではなく、これまで間違えた箇所や重要論点の確認を中心にしました。
特に直前でおすすめなのは、野網先生が出版している「まとめシート」です。まとめ方が秀逸で直前に読み返すだけで暗記科目は10点くらいアップすることも結構あります。私自身もそうでした。
試験前日の復習は、知識を増やすためではなく、「自分はここまで準備した」と確認するための作業でもあります。
一次試験前日にやるべきこと④ 当日の科目間の過ごし方を決める
中小企業診断士の一次試験は、長時間にわたって複数の科目を受験します。そのため、科目間の休憩時間をどのように使うかも重要です。
前日のうちに、休憩時間に確認する教材を科目ごとに分けておくと、当日に迷いません。
ただし、厚いテキストを何冊も持参する必要はありません。
例えば、次のようなものが適しています。
- 公式をまとめた用紙
- 暗記カード
- 苦手論点だけを記載したノート
- スマートフォンに保存した短いメモ
また、終了した科目の答え合わせはしないと決めておくことも大切です。
試験中に前の科目の結果を考えても、点数は変わりません。それよりも、次の科目へ気持ちを切り替える方が、総合点を高めることにつながります。
一次試験前日にやるべきこと⑤ 睡眠を最優先にする
前日に最も避けたいのが、深夜まで勉強を続けて睡眠不足になることです。
試験前日は不安から眠れなくなる可能性もあります。そのため、普段より早めに勉強を切り上げ、入浴や翌日の準備を済ませて、落ち着いて休める状態を作ることが重要です。
特別に早い時間に寝ようとすると、かえって眠れないこともあります。普段の生活リズムから大きく変えず、十分な睡眠時間を確保しましょう。
中小企業診断士一次試験では、一問の判断ミスが合否に影響する可能性があります。
前日の1時間の追加学習よりも、十分な睡眠によって本番の集中力を維持する方が、結果につながりやすいと考えられます。
前編まとめ|前日は本番で実力を出すための準備日にする
中小企業診断士一次試験の前日は、知識を無理に詰め込む日ではありません。
前日にやるべきことは、次の5つです。
- 持ち物を確認する
- 会場までの経路と到着時刻を確認する
- 復習する範囲を絞る
- 科目間の過ごし方を決める
- 睡眠を最優先にする
ここまで準備しておけば、試験当日の不安や余計な判断を減らし、問題に集中しやすくなります。
一方で、試験前日には、良かれと思って行った行動が本番のパフォーマンスを下げてしまうこともあります。
後編では、中小企業診断士一次試験前日にやってはいけないこと、新しい問題集や参考書に手を出す危険性、徹夜や答え合わせを避けるべき理由、試験当日の朝に意識したいポイントについて詳しく解説します。
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